美術作品の展示会に出展した母の似顔絵

「ママ、明後日の日曜日はお休みだよね?」と、母に仕事の休みの確認を取ったのは、母にどうしても見に来てほしい展示会があったからです。これは、私がまだ17歳のときのことで、私は美術専門学校に通っていました。ここに通っていたのは、とにかく絵を描くことが好きだったからです。将来的に何になりたいとか、どんな仕事に就いてみたいという具体的な考えは持っていなかったものの、自分の好きな絵を描いていたいと思い、普通科の高校ではなく、美術専門学校に進学することに決めました。そんな私は、この学校に在学中、毎日のように絵を描いていて、両親には心配をかけてしまっていました。それは、ただ絵を描いているだけでは、就職先を決めることができず、専門学校を卒業してからの道が何も定まっていなかったからです。

それでも私は、絵を描くことを辞めようとはせず、この絵によって、両親に認めてもらいたいという気持ちを持っていました。そんなとき、学校で美術作品の展示会が行われることが決まりました。その展示会は、どんな学生でも自分の好きな作品を出展しても良いとのことで、私はこれがチャンスだと思いました。なぜなら、この展示会に自分の自信作を出展し、それを両親に見てもらうことで、自分の絵を認めてもらうことができるかもしれないと思ったからです。それまでにも、自分の作品を見せてみたことはあったものの、展示会という、それに合った場で見るものは、また違った印象を伝えることができるものです。そこで私は、大好きな母の似顔絵を描き、展示会に出展することに決めました。ちょうどこのとき、母の誕生日が近づいていたこともあり、ピッタリのタイミングでした。そして私は、母に内緒でコツコツと似顔絵を描き続け、展示会に出展することができました。後はもう、母にこれを見てもらうだけだったため、母に仕事の休みの確認をしたのでした。

そうして日曜日になり、母と一緒に展示会へと向かいました。そこで母は、私の作品を見た瞬間、自分の顔であることに気がついてくれて、それをとても喜んでくれました。私は母に、これが誕生日プレゼントであることを伝えると、さらに喜んでくれて、私も本当に嬉しかったです。これによって、私の絵についても認めてくれたようで、学校生活を応援してくれるようになりました。この展示会は、母へのサプライズプレゼントを成功させてくれた上に、私の道も作ってくれたものとなりました。